あの日のあと、
自分の中で何かが変わり始めていました。
はっきりとした言葉にできるわけではないけれど、確実に、これまでとは違う感覚がありました。
関係がどうなるのかは分からないまま、
それでも、少しずつ距離は近づいていきました。
これは、
その変化を感じ始めた頃の話です。
この出来事は、これまで書いてきた離婚に至るまでの流れの中でも、
少し時間をさかのぼった頃の話になります。
不思議な感覚
あの日のあと、数日間は不思議な感覚が続いていました。
もともと人として気になる存在で、
惹かれている自覚もありました。
それまで、こういう感覚から遠ざかって
いたこともあって、
10年以上恋愛の感覚を忘れていた私には、
それが“好き”なのかどうか、
うまく言葉にできませんでした。
それでも、
気づくと目で追ってしまっていました。
彼女から届いた写真
休日、グループLINEに彼女からメッセージが来ました。
その流れのまま、
私は個別で連絡を送りました。
「可愛い顔が見たいな」
勇気を出して、そう伝えました。
「何言ってるの?あとでね」
と、軽く流されました。
彼女はその日、友人と出かけていました。
帰り際に、
一枚の自撮り写真を送ってくれました。
その何気ないやり取りが、
嬉しかったのを覚えています。
そのあともしばらく、
何度もその写真を見返していました。
その写真は、今でも残しています。
妻に不倫が発覚したとき、
すべてを消すように言われた中でも、
これだけは消すことができませんでした。
あのとき、
はっきりと何かが変わったのを感じていました。
今思えば、
あの瞬間だったのだと思います。
また、会いたいと思いました。
初めて気持ちを伝えた日
数日後、
二人で帰る機会がありました。
雨の日に傘を忘れたと言ったら、
「入れてあげるから、一緒に帰りましょう」
そう言ってくれたのが嬉しかったのを覚えています。
そのとき、私は初めて、はっきりと気持ちを伝えました。
「好きです。また会ってほしい」
「好きになるところなんてある?」
彼女はそう言いました。
「うまくは説明できないけど、
惹かれてたんだと思う」
少しだけ間を置いて、
「気づいたら、好きになってた」
そう付け加えました。
彼女は、その言葉に対して、
はっきりとは答えませんでした。
それでも、
次に会う約束だけはできました。
そのことが、ただ嬉しかったのを覚えています。
少しずつ近づく距離
それから、
連絡を取る頻度は少しずつ増えていきました。
私はまだ緊張していて、
どこかぎこちないままでした。
敬語を使うことも、よくあった。
私は先輩なので、
敬語じゃなくていいよ、と伝えたとき、
「それはこっちのセリフだよ」
そう返されたことがありました。
その一言に、
不思議なくらい心が
動きました。
次に会う日が、
待ち遠しくなっていました。
この頃から、
自分の中で少しずつ何かが変わり始めて
いました。
その変化が、
どこへ向かっていくのかは、
まだ分かっていませんでした。
この話のはじまりについては、こちらで書いています。
このあと、私の日常は少しずつ変わっていきます。
▶︎ 気づけば変わっていた日常


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